04/04/2026
「アートとデザインは全くの別物」と
語られることがしばしばあります。
アートは「自己表現」の一種で、
デザインは誰かの要望を形にする「他者表現」。
そうカテゴライズすると確かに別物ですが、
二つは決して相反するものではなく、
隣り合わせにあり、かつ
その境界は曖昧なものだと感じています。
アール・ヌーヴォーが開花した19世紀末、
当時の万博や演劇のポスターデザインは、
ミュシャなど当時の画家が担当したものが多く、
それはまるで芸術作品のような
美しいデザインになっています。
逆に、ポップアートのパイオニアである
アンディ・ウォーホルの作品は、
シルクスクリーンで印刷されたポスターであり、
当初「これはアートではない」と酷評の嵐でしたが、今では誰もが知るアートとして世界中で親しまれています。
こうして見ても、
デザインとアートの境界は非常に曖昧です。
商業化・工業化が進む中で、
芸術家とデザイナーはいつしか別れて行ったわけですが、決して別物ではないことが分かります。
私自身は、デザインにアート性は不可欠だと思っています。理論やコンセプトをいくら重ねても、
美しくないものに人は心を惹かれません。
「人の心を動かすこと」こそがデザインの最も大切な役割であって、
そこに「アート性」が不要なわけはないのです。
理屈を超えて「美しいもの」にこそ
人は心を動かされているはずです。
アートには「美を感じる心」を育てる力があると思います。アートに興味のないデザイナーはいずれ良いものが作れなくなるだろうと感じます。
ここでいうアートとは、絵画に限らず、
映画、アニメ、音楽、演劇、小説といった
様々な文化にも同じ意味があると思っています。
日頃からそれらに触れて味わい、
何を感じたのかを自分の中で咀嚼することが、
デザイナーとしてはとても重要なことだと
思っています。
次回コラムは、
「アートとデザインの境界線」を予定しています。
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