YanoICT(矢野経済研究所 情報通信・金融事業部)

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Yano ICT(矢野経済研究所 ICT・金融ユニット)は、急激なスピードで発展・成長を続けるICT産業分野をビジネスフィールドとして、各種市場調査およびコンサルティングサービスを行なっています。

YanoICTではICT産業分野を以下の15領域に分類。各領域のエキスパートが、主要企業の動向から関連する社会・経済トレンドまで、幅広い最新情報をつねにウォッチしています。

27/05/2026

ラベルプリンタはデジタル印刷領域の新たな事業の柱となるか
(アナリストオピニオン2026.05.21)

食品、化学製品、医薬品、日用品、物流などの分野では、表示内容の頻繁な更新、多品種小ロット化、トレーサビリティ強化への対応が常態化している。こうした変化を背景に、商業・産業向けの中大型デジタルラベルプリンタへの関心が高まっている。ここでいう対象は、小型のラベルライターではなく、一定の生産性、耐久性、色再現性、基幹システム連携性を備えた本格的な業務用機である。では、この分野は各メーカーにとって新たな事業の柱となり得るのだろうか。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/462

■需要の起点は「印刷」ではなく「現場運用」の変化
足元の需要を押し上げているのは、単なるラベル枚数の増加ではない。EC拡大に伴う物流ラベル需要、食品・化学分野での法規制対応、製造現場における在庫・工程管理の高度化など、現場運用そのものが変化していることが背景にある。従来のアナログ印刷ラベルは、大量生産時には効率的である一方、表示変更時の在庫ロスや短納期対応の難しさを抱えやすい。これに対し、デジタル方式は必要な時に必要な内容を必要量だけ印字でき、可変情報への対応にも適している。加えて、通常の商業印刷と同様、版を必要としないため、立ち上げロスや試し刷りを抑えやすく、小~中ロット対応でも経済合理性を持ちやすい。環境負荷低減や廃棄削減の観点からも訴求余地がある。したがって、この市場の本質は「ラベルを印刷する機械」の販売ではなく、「ラベリング工程をどう再設計するか」という業務改善需要にある。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/462

■各社のラベルプリンタに関する動き
メーカー各社の動向を見ると、競争軸は印字速度や解像度だけではなくなっている。エプソンはColorWorksを軸に、食品、飲料、化粧品、医薬向けのオンデマンド・フルカラー印刷を展開し、自動貼付機との連携や遠隔管理まで含めた提案を進めている。キヤノンも、高画質8インチ機と高速4インチ機を投入し、ラベル内製化支援、GHS対応、RFID連携などを通じて、製造・物流現場の運用改善需要を取り込もうとしている。
一方、印刷会社やラベルコンバーター向けでは、SCREENの動向が注目される。SCREENグラフィックソリューションズは「Truepress LABEL」シリーズを展開し、バリアブル印字や小~中ロット案件への短納期対応を訴求している。色再現性や品質安定性の強化に加え、基材適性の拡張にも取り組んでおり、アナログ中心だったラベル印刷工程のデジタル化を支える立場を鮮明にしている。コニカミノルタも「AccurioLabel」シリーズで、小ロット・短納期化に対応する高生産性デジタルラベル印刷機を展開しており、ラベル印刷事業者の生産方式転換を取り込む戦略を強めている。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/462

■なお大きいアナログ市場、デジタル化の余地
ラベル印刷市場全体を見れば、依然としてアナログ機の比重は高い。大量印刷ではアナログ方式の優位性が強く、普通紙に印刷する一般的な商業印刷と比較しても、デジタル化の潮流は控えめである。ただし、表示内容の多様化、SKU増加、短納期化、可変情報対応、在庫削減ニーズを踏まえると、アナログでは非効率な領域は着実に広がっている。すなわち、デジタルラベルプリンタ市場の成長余地は、同内容のものの大量印刷や、納期の短縮化など、アナログ印刷のデメリットとともいえる点を払拭できる点にある。
しかし、上記の点で利用者にメリットを感じてもらうには、印刷の前後工程、ないしは業務全般に関わるコストや効率性を把握した上で、最適な提案が求められる。つまり、商業・産業向けの中・大型デジタルラベルプリンタは、単純なハード販売では「事業の柱」になりにくい。ハードの他、消耗品・保守・ソフトウエア・RFID・自動化設備・業務支援までを含めた継続収益モデルを構築することが重要といえるだろう。
ラベル機市場では、デジタル化への転換機会は今後も相応に残る。各社にとって本分野は、成熟市場の延長ではなく、業務変革需要を取り込む新たな成長機会として位置付けるべき段階に入っているとみる。

(山内翔平)

ラベル印刷市場では表示内容の多様化や短納期化などを背景に、デジタル印刷の領域が広がっている。ハード販売から生産工程の再設計へ、需要の起点にも変化が見られる。

生命保険の販売チャネルの転換点-チャネルが多様化する中で問われる保険の「売り方」-(アナリストオピニオン2026.05.11)https://www.yanoict.com/opinion/show/id/461■■はじめに-「選べるように...
25/05/2026

生命保険の販売チャネルの転換点-チャネルが多様化する中で問われる保険の「売り方」-
(アナリストオピニオン2026.05.11)
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/461

■■はじめに-「選べるようになった」は本当か
生命保険の販売チャネルは、ここ十数年で大きく変化してきた。かつてはいわゆる生保レディと称される営業職員が中心だったが、現在では銀行窓口や来店型保険ショップ、オンライン完結型まで、顧客が保険に触れる入口は確実に増えている。
こうした動きを受け、「消費者が自分にあった保険を選びやすくなった」「販売の形が多様化した」という評価を耳にすることも多い。一方で、保険業界側に目を向けると、依然として販売における課題が残されている。人口減少による新契約の伸び悩み、募集人の高齢化、多様化する商品の説明責任、個人情報保護の厳格化など、生命保険の販売を取り巻く悩みは、形を変えつつ存続している。
今回は、近年の生命保険の販売チャネルの動きを整理した上で、最近報道等で話題となっている販売チャネルの課題を振り返り、今後の生命保険のチャネル戦略について考えてみたい。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/461

■■多様化が進んだ生命保険の販売チャネル
生命保険の販売チャネルが広がってきた背景には、いくつか要因がある。1990年代の金融ビッグバンによる自由化や銀行窓販の解禁が代表例であるが、顧客のニーズの多様化や営業職員の確保が難しくなってきたことも無関係ではないだろう。
また、複数社の保険商品を比較できる乗合代理店や来店型保険ショップは、「中立的な立場で説明してもらえる」という安心感から支持を集めてきた。近年では、シンプルな保障内容を中心に、オンラインで完結できるチャネルも徐々に存在感を高めている。
こうして見ると、生命保険の販売チャネルは「営業職員か、それ以外か」という単なる二分では片づけられないほど多様化してきたといえる。
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■■成果報酬型モデルで見え始めた課題
販売チャネルが多様化しても、変わらない側面がある。成果に応じた報酬体系を採用するフルコミッション型のモデルは、高い意欲や専門性を持つ募集人が力を発揮しやすい一方で、募集人の行動や判断が、良くも悪くも報酬追及に寄るリスクをはらんでいる。
営業の裁量が大きいからこそ、提案内容や情報の取り扱い等は個人に委ねられやすい。実際、2026年に入ってからフルコミッション型を採用する生命保険会社において、顧客からの多額の不正受給や金銭トラブル等が相次いで報じられ、世間を賑わせた。稼ぐための意欲が個人の裁量を広げた結果、コンプライアンスが後回しになった側面は否定できない。また、代理店や銀行チャネルへ出向するケースも保険業界ではよくあることであるが、そこでの情報の持ち出しを巡る事案も相次いで保険会社が公表している。
これらニュースとして報じられた事案について、特定の企業や社員など個人の問題だけで片づけるのではなく、個人の力に過度に依存する販売モデルそのものが内包するリスクとして捉える必要がある。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/461

■■「売れる人」に依存するビジネスの限界
生命保険は、長期間に渡って保障が続く商品であり、契約時に顧客のライフプランを踏まえた丁寧な説明が求められる。そのため、必然的に説明能力と提案力が高い人間に成果が集中しやすい。
しかし、この構造は「売れる人に会社が依存している」状態でもある。管理を強化すれば「自由にやれる他社へ移る」という懸念があり、顧客も担当者についていってしまうリスクがある。営業職員の高齢化や、若手のなり手不足が指摘されて久しい中で、個人の力量に依存し続ける販売体制は、いよいよ限界に近づいているといえる。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/461

■■デジタルチャネルは解決策になるのか
ではこの個人への依存を、デジタルの活用で解消できるか。近年は、デジタル活用への期待も高まっている。スマホ完結型の保険商品がその代表例であるが、こういった保険はあくまで比較的わかりやすく、リスクも限定的な商品が中心である。死亡保障等の比較的高額であったり、保険金支払いの条件が複雑な商品については、依然として人を介した説明や相談のニーズは根強い。かといって人任せでは前述した通り利益重視の勧誘に偏るリスクもある。つまり、デジタルは万能の解決策ではなく、募集や申込、アフターフォローといったプロセスごとに、人による対応とデジタル対応をどう最適に組み合わせるか。その一連のプロセスの設計が今後のカギになるかもしれない。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/461

■■販売チャネル管理の在り方が問われている
さらにいえば、人であれデジタルであれ、その販売プロセスをどう統治(ガバナンス)していくかという視点が不可欠である。フルコミッション型のような、募集人の裁量が高く稼げる販売モデル自体を否定するわけではない。それがモチベーションとなり、これまで業績を支えてきた面もあるだろう。
ただし、その自由度を前提とするのであれば、行動規範や情報管理、説明責任など、「守るべきルール」を徹底していく必要がある。裁量があるからこそ、コンプライアンスの再徹底や他の仕組みとの組み合わせによる補完など、企業はこれまで以上の対応が求められる。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/461

■■おわりに-チャネルの多様化は一定程度進んだ、次は透明性へ
生命保険の販売チャネルは、「多様化する(増やす)」段階から、「どうガバナンスしていくかを考える」段階へと移行する時期に来ている。どのチャネルが正解という単純な答えはないが、少なくとも個人の力に過度に依存する構造を見直す必要性は高まっている。
募集時の一連のプロセスにおいて、何がどのように行われ、会社はそれをどう管理するのか。こうした販売プロセスの透明性を高めていくことが、今後の保険販売に求められる重要な視点といえるだろう。

※関連調査レポート
生命保険の販売チャネルに関する詳細な調査・分析については、以下のレポートを参照されたい。
「2025年版 生命保険の販売チャネル戦略と展望 -直販、Web、来店ショップ、訪問販売の実態-」
(小田沙樹子)

広告主のAI活用状況とデジタル広告運用に関する実態調査を実施(レポートサマリー2026.05.07)https://www.yanoict.com/summary/show/id/807デジタル広告は生成AIの普及で広告運用の生産性が大幅に...
22/05/2026

広告主のAI活用状況とデジタル広告運用に関する実態調査を実施
(レポートサマリー2026.05.07)
https://www.yanoict.com/summary/show/id/807

デジタル広告は生成AIの普及で広告運用の生産性が大幅に向上、市場は構造転換期へ。AI活用で広告主は投資拡大型と防御型の分岐が鮮明になった。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内広告主企業を対象に、生成AIおよびAI検索の普及がデジタル広告市場に与える影響について調査を実施した。本調査では、AI活用レベル別・広告予算規模別・業種別の分析を通じて、広告主の投資行動の変化や市場構造の再編動向を明らかにした。

■■広告主のAI活用状況とデジタル広告運用の概況
生成AIの急速な進展は、デジタル広告市場における業務プロセスおよび競争構造に大きな変化をもたらしている。テキスト・画像・動画の自動生成や高度なデータ分析、ターゲティング最適化の進展により、広告運用の生産性は大幅に向上し、AIは単なる効率化ツールから戦略インフラへと位置付けが変化している。本調査では、AI活用レベルと広告予算規模の二軸分析により、広告主が「AI先進・投資拡大型」「AI未活用・防御型」「中間層」に分化している実態が明らかとなった。AI先進層は効率化で生まれた余剰資源を成長領域へ再投資する一方、未活用層は慎重姿勢を維持し競争力低下のリスクを抱える。今後の市場は媒体間競争から、AI活用能力を軸とした競争へと再編が進み、AI格差が広告競争力の格差として顕在化する可能性が高いと考える。
https://www.yanoict.com/summary/show/id/807

■■広告主のAI活用状況とデジタル広告運用の注目トピック
■広告種類別の広告費配分の現状と変化(過去/現在/今後の見通し)
デジタル広告の媒体構成は、大きな構造転換というよりも、検索広告を中心とした安定構造を維持しながら、緩やかな再配分が進行している。検索広告は過去34.9%、現在33.7%、今後33.6%と約3分の1を占め、基盤媒体としての地位は今後も大きく変わらない見通しである。一方、SNS広告は14.3%から16.2%へ上昇し、今後も高水準を維持する見込みで、ショート動画や購買導線強化を背景に存在感を高めている。動画広告も生成AIによる制作効率化やCTV?(コネクテッドTV)の普及、ショート動画の成長を背景に需要拡大が期待される。一方で、ディスプレイ広告は相対的に低下傾向にある。全体としては、検索中心の構造を維持しつつ、SNS・動画など上流ファネルへの投資を強化する多層型構造へ移行しているとみられる。
https://www.yanoict.com/summary/show/id/807

■■広告主のAI活用状況とデジタル広告運用の将来展望
生成AIおよびAI検索の普及により、デジタル広告市場は量的拡大よりも構造的再編の局面に入っている。今後は、検索広告、SNS広告、動画共有・配信系広告など、AIによる自動最適化やクリエイティブ量産、データ活用が可能となり、成果を可視化しやすい領域に投資が集中すると見込まれる。リテールメディアも高度なデータ活用能力を有する企業を中心に成長が期待される。一方、従来型ディスプレイ広告やネイティブ広告は相対的に優先度が低下する可能性が高い。市場は媒体間競争から、AIによる最適化が可能な領域同士の競争へと移行し、AI活用能力の差が企業間の競争力格差を左右する展開を予測する。
https://www.yanoict.com/summary/show/id/807

21/05/2026

民から軍へ 逆転現象は何をもたらすのか
(アナリストオピニオン2026.05.01)
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/460

イラン戦争で停戦合意のニュースが流れている(4月8日執筆時点)。石油を中東に頼る日本にとって、また純粋に平和を願う多くの日本人にとって、はやく終結して欲しいというのが共通する気持ちだろう。ITの観点でいえば、史上初の本格的なAIによる戦争ともいわれており、Palantir Technologiesが注目を集めた。この戦争を機に初めて耳にした方も多いことだろう。同社は米国防総省の軍事用AIソフトであるMaven Smart System(MSS)の提供企業となっている。生成AIも組み込まれており、自然言語による質問への応答など作戦立案面で大きな役割を果たしているという。

個人的には、初のAIによる戦争ということよりも、民生技術が軍事技術を凌駕したという点に注目がいく。そもそも、IT技術と軍事技術は密接不可分なものであった。インターネットもそうである。インターネットの起源はARPANETとよばれるコンピュータネットワークであり、アメリカ国防総省が資金を提供し、核攻撃下においてもコミュニケーションが取れる仕組みとして研究されたという(※軍事目的で開発されたわけではないという説もある)。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/460

またGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)も、もともとは軍事技術だ。1973年から同じく国防総省の軍事プロジェクトとして開始され、当初は軍事用途に制限されていたが、いまではご存知の通り、地図アプリ、スマホでおなじみの技術となっている。
CADで有名なCATIAは、戦闘機メーカーのダッソー・アビシオン社の技術者により開発されたのが起源である。さらに遡れば、初のCADといわれるSketch Pad、これは人間がライトペンを用いてCRT(ブラウン管)上に2D図形を描くことができる作図ツールになるが、これに至る開発背景にも軍事技術があった。具体的にはCRTに点描画を映す仕組みやライトガン(ピストル型入力装置)による入力装置がMITによって開発されるのだが、その依頼元になったのは米国海軍および空軍であった。

私は製造分野のIT技術(CAD/CAM/CAE、PLM、CPSなど)をリサーチフィールドの一つとするが、そこでの常識として、ITにおける最先端はこれまで常に軍事、宇宙、航空で開発されるものというのがあった。戦闘機開発、ロケット開発といった分野で巨額の研究開発費が投じられ、実装され、そして徐々に単価を下げ、自動車などの民生産業へと技術が降りてくる。最先端の研究開発費とはそういうものであった。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/460

しかしいまや一変したようだ。ビジネス面でも同種のことは起きている。以前はBtoBの方が技術面で優れたものが使われていたが、2007年にiPhoneが登場して以降、優れたUIを持つBtoC技術がBtoBツールへ多大な影響を与え始め、搭載されるようになったことはよく知られている。こうした動きは「コンシューマライゼーション」などと呼ばれる。
類似の話として、デュアルユース(軍民両用)という言葉を見かけるようになった。レアアースなどの天然資源、半導体など、民生用と軍事用の両方に応用可能な技術や製品が該当し、民間製品であっても、そうした製品群は経済安全保障上、輸出制限など厳格な管理が必要となっている。AIは昨今急速にデュアルユースとしての重要度が高まり、ついには戦略実行の中核技術となったのは冒頭に紹介した通り。

国家間の競争は、従来の軍事力による衝突から、経済力・技術力へと移行し、日本もその恩恵を受けてきた。一般市民からすれば、戦争で争うくらいなら、経済で大いに争う方を選ぶだろう。平和こそ、われわれのQOLの土台をなす中核の概念だ。しかし、平和だった経済戦争も、行き着くところまで進み、国家予算にも匹敵するGAFAM等の研究開発投資は、いよいよ国家技術の最先端を超えるものを生み出し、デュアルユースというところまできてしまった。その先にあるものはどのような社会なのだろうか。はたして国家というコンセプトの耐用年数はあとどれほどであるのだろうか。

(忌部佳史)

イラン戦争では民生技術が戦略実行の中核技術となっている。最先端技術はこれまで軍事から民生へと降りてきたものだが、一変して民生から軍事へと逆転現象が生じている。

ECサイトは不要になるのか―AIが変えるECプラットフォーム市場の次の主戦場アナリストオピニオン2026.04.22https://www.yanoict.com/opinion/show/id/459■”ECサイトは不要”が現実味を帯びて...
28/04/2026

ECサイトは不要になるのか―AIが変えるECプラットフォーム市場の次の主戦場
アナリストオピニオン2026.04.22
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/459

■”ECサイトは不要”が現実味を帯びてきた
生成AIとAIエージェントの進展により、EC市場は大きな転換点を迎えている。これまでECプラットフォーム市場では、UI/UX改善やサイト導線最適化を中心とした「サイト制作力」が競争力の源泉であった。しかし、近年AIによる商品探索・比較・購買支援が高度化することで、ユーザーがECサイトを経由せずに購買を完了することが現実味を帯びてきている。
この変化は、ECプラットフォーム市場における主戦場を「フロント画面の構築」から「商品・在庫・顧客データを外部接点につなぐ接続設計」へ移行させる可能性が高い。特にAPI/MCP(Model Context Protocol)を前提としたアーキテクチャ設計、AEO(AI Engine Optimization)、商品マスターのAI可読化など、新たな高付加価値領域が台頭している。

■AIが変えるEC市場の購買導線
AI時代におけるEC市場の第一の変化は、ユーザーが商品へ到達する「流入導線」の変質にある。従来、ECの購買導線は検索エンジン、リスティング広告、SNS、モール内検索などを起点に、ECサイトへ流入し、カテゴリ回遊や比較検討を経て購入へ至る構造であった。
しかし現在は、生成AIによる検索回答機能やチャット型UIの普及によって、ユーザーがECサイトへ直接訪問する前に、AI上で商品候補を把握・比較するケースが増えつつある。つまり、比較行動の一部がすでにECサイト外へ移り始めている。
この変化により、ECサイトに求められる役割は「比較・回遊の場」から、「AIや外部チャネルに対して正確な商品情報・在庫・価格・配送条件を提供するデータ基盤」へと変化する。ECプラットフォーム市場においても、従来のUI最適化だけではなく、商品情報を外部AIに正しく伝達できる構造設計が重要になりつつある。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/459

■ECサイト構築市場の主戦場は「作る」から「つなぐ」へ
この変化により、ECプラットフォームやサイト構築・運営会社に求められる価値も大きく変わる。
従来は、各種ECサイト構築サービスの基盤を活用しながら、UI設計やCVR改善、販促機能追加が主要テーマであった。
しかし今後は、Shopifyが進める「ヘッドレスコマース」や「Composable Commerce」の考え方に象徴されるように、商品データ、在庫、決済、配送、CRMをAPIとして外部に開放し、AIエージェントや外部チャネルから安全に呼び出せる設計が重要になる。
つまり、EC構築の主戦場は「魅力的なサイト制作」から「購買接点を横断する接続設計」へ移行しつつある。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/459

■ECサイト不要化がもたらす新たな高付加価値領域
ECサイト不要化という言葉は刺激的だが、本質はサイトが消えることではない。サイトが唯一の購買接点ではなくなることで、構築会社の高付加価値領域が変化する点にある。
今後、特に重要度が高まるのは、以下の領域と考えられる。

・API/MCP接続を前提とした全体アーキテクチャの設計
・商品マスターの標準化・AI可読化
・CRM/CDP統合による顧客理解
・AEOを見据えた商品情報設計
・AI接客、レコメンド、自律購買導線
・複数チャネル横断のコマース設計

■Agentic Commerce/Invisible Commerce市場の可能性
購買導線変化の延長線上で、次に立ち上がる市場として注目されるのが、消費者購買支援エージェントを起点とした「Agentic Commerce」である。
Agentic Commerceは、AIがユーザーの購買意図を理解し、商品探索、比較、購入判断、決済までを主体的に支援・代行するコマース市場を指す。従来のECではユーザー自身が商品一覧を閲覧し比較していたが、今後はAIエージェントがその役割を担い、ユーザーは目的や条件を伝えるだけで購買が成立する世界観が広がる。
さらに、「Invisible Commerce」はAgentic Commerceの先に位置する進化形である。生活動線や利用文脈に応じて、ユーザーが明示的に購買を意識しなくても、商品補充や予約が自動的に行われる市場を指す。
例えば、スマートホーム、冷蔵庫、車載システム、音声アシスタント、スケジュールアプリと連動し、日用品、食品、消耗品、ギフト需要などが生活の流れのなかで自然に発生する世界観である。
この市場が本格化すると、EC構築市場の主戦場は、人が閲覧するECサイト画面の最適化から、AIエージェントやIoT機器が安全かつ高精度に呼び出せるAPI/MCP接続、商品データ標準化、自律購買ロジックの設計へ移行する。将来的には、EC市場そのものが生活動線に溶け込む形で進化する可能性があると考えられる。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/459

■今後の市場見通し
今後のECプラットフォーム市場では、テンプレートベースのサイト制作や初期構築を中心とした従来型モデルは価格競争に巻き込まれやすい。一方、AIを前提に商品・顧客・在庫・決済データを統合し、複数の購買接点を設計できる企業は、より上流のDXパートナーへ進化できると予想する。
AIが変えるのは制作効率ではなく、EC市場を“サイト”として捉えてきた産業構造そのものである。次の主戦場は、サイトを作る力ではなく、AI時代の購買接点をつなぐ力にあると考える。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/459

(金貞民)

ECサイトの流入導線が変質している。サイトを経由せずに購買を完了する構造はECプラットフォーム市場の高付加価値領域を変化させ、次の主戦場へと移行していく。

インフラ設備点検/農業向けを中心にドローン活用サービスが急拡大(アナリストオピニオン2026.04.09)https://www.yanoict.com/opinion/show/id/458■■日本におけるドローン活用の変遷日本では、20...
27/04/2026

インフラ設備点検/農業向けを中心にドローン活用サービスが急拡大
(アナリストオピニオン2026.04.09)
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/458

■■日本におけるドローン活用の変遷
日本では、2010年代前半からドローン活用サービス/ソリューションが様々な分野で始まり、電力鉄塔/送電線などのインフラ設備点検、農薬・肥料散布、被災エリアでの状況確認といった災害支援用途などを中心に浸透が進んだ。
その後、法規制/運用面での追い風が強まった2020年前後からはドローンの社会実装が加速し、通信鉄塔/送電鉄塔の点検、太陽光発電設備点検、橋梁点検(高速道路、鉄道など)、農薬・肥料散布、各種測量業務などでは広く実運用フェーズに入っている。そして2026年3月時点では、先行した通信鉄塔/送電鉄塔点検や農業向けを中心に、ドローン活用は急速に進展している。
尚、ドローンと競合する人工衛星や航空機、ヘリコプター、人手作業との対比におけるドローン活用サービスの強み・特徴としては、以下の点が指摘できる。

・高精細な画像・データ取得が可能(近接撮像が出来る)
・リアルタイム性/迅速対応(人工衛星や航空機よりもセンシングに向けての準備期間が短い)
・運用コストが廉価(目的によるが一般的にはコスト削減可能)
トンネル内や管路内、建物内での運用が可能
・より精密な農薬や肥料散布が可能(ピンポイントでの散布が出来る)
・分野別のドローン活用

上述したように、現状ではライフライン系(電力・通信鉄塔点検、ケーブル点検など)、農業(肥料・農薬散布など)、防災(被災状況監視・把握、発災時対応支援など)、民間インフラ系(高速道路・鉄道の橋梁点検/トンネンル点検、コンクリート構造物点検など)でドローン実装が先行している。

この他にも、建設・土木(現場の進捗管理など)、公的インフラ系(港湾、空港、ダム、河川、上下水道などでの点検業務等)といった領域でも、PoCから実装への移行が進みつつある。
さらにドローン活用は、利便性やコスト優位性などから、従来は航空機やヘリコプター、人工衛星などが提供していたサービス(土地家屋調査、ナラ枯れ調査、被災エリアでの損害確認など)からの代替も進んでいる。以上の点を踏まえた上で、以下にはドローン活用サービス/ソリューションの適用イメージを記載した。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/458

■■AIによるドローン活用への追い風
ドローン活用を考えた場合、高解像度情報を取得できることや取得データのリアルタイム性、対応の柔軟性などから、AIとの親和性が高い。
例えば、橋梁などのインフラ点検においては、ドローンの機動性と近接撮像力とAIの画像解析力を組み合わせれば、より高度な点検(劣化診断/高頻度点検など)を行える。さらに、現場や建物周辺の高精度監視など、監視カメラだけでは対応が難しいケースにおいても、「ドローン×AI」の座組を使えば、リアルタイム&柔軟&高精細に状況識別が可能になる。

このように「ドローン×AI」の座組は、ドローン活用を高度化するポテンシャルがある。言い換えればドローンは、「AI向けの現場データ収集プラットフォーム」と言えよう。

ドローンとAIの親和性を整理した図を添付する。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/458

■■ドローン活用サービス/ソリューションにおける問題点・課題
ドローン活用における課題の一つとして、オペレータ確保が挙げられる。ドローン操縦には、国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」の取得が必要などの要件がある。特に、産業用途での活用が進む中、高度な操縦技術とデータ処理スキルを兼ね備えた人材が不可欠で、十分な数のオペレータを確保できるかどうかはドローンサービスの拡大では重要である。

またドローン活用が進むにつれ、ドローンの衝突を避けるなど、ドローンを安心・安全・効率的に活用するための制度や配慮も必要となる。2023年4月、日本発のドローン運行管理システム(UTM)に関する国際規格が発行された。ここではUTMに必要な機能と各機能の構造、相互の関連性、関連用語の定義等が整理されており、一定空域内を飛行する全てのドローンの機体情報を共有し、衝突事故の防止を支援する役割などを持つ。

この他にも、安全保障上の観点から、国産もしくは欧米製ドローンへのシフトが推奨されている。しかし現実には、中国製ドローンとの価格差は大きく、すぐに転換できる状況にはないと考える。

ドローン活用における問題点・課題を記載した図を添付する。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/458

■■ドローン活用サービス/ソリューションの展望
ドローン活用による業務改善イメージを大別すると、以下の通り。

①見える化/データを基礎とした現場把握、効率化/コスト削減/省人化
②判断支援/シミュレーション機能の向上

現在のドローン活用では、航空測量の代替や人手不足対応に代表される前者(①)に主眼が置かれている。しかしドローン活用シーンの拡大や、画像解析能力に優れたAIテクノロジーの進展により、今後は後者が主体となる見通しである。そして5~10年といった時間軸では、ドローンを基盤としたCPS/デジタルツインの実現がターゲットの一つになるであろう。
また近年の機体価格の低廉化は、当該ビジネスの敷居を下げる効果がある。
さらにAIを始めとしたテクノロジー活用は、ドローン活用サービス/ソリューションのビジネスモデルに大きな変化を起こしている。具体的には、「従来のモノ売りビジネス(機体販売/運用代行/保守・メンテナンスサービス)」から、「コト売り(完全自動運行やデータ解析を付随したソリューション販売)」へと業態転換が進んでいる。その結果、ドローン活用サービスといったサービスカテゴリーが、「ソリューションサービス業」あるいは「ソリューション提供サービス業」といった業態になる蓋然性が高い。
このような変革が進む根底には、一貫した社会課題である「人手不足に起因した業務効率化/省人化志向」、「働き方改革の実践(就労環境の改善)」といった外部環境、社会的な要請もある。
尚、日本政府は、経済安保の観点から、国産ドローンの拡大を支援する方針で、2030年までに年産8万台の体制整備を目指している模様である。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/458

(早川泰弘)

社会インフラIT市場に関する調査を実施(2026年)https://www.yanoict.com/summary/show/id/8052024年度の国内社会インフラIT市場規模は7,028億円、前年度比5.5%増。社会インフラ向けITソ...
10/04/2026

社会インフラIT市場に関する調査を実施(2026年)
https://www.yanoict.com/summary/show/id/805
2024年度の国内社会インフラIT市場規模は7,028億円、前年度比5.5%増。社会インフラ向けITソリューション市場も前年度比44.4%増と大幅に拡大した。

レポートサマリー2026.04.06

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の社会インフラIT市場を調査し、市場規模、分野別/地域別の動向、入札情報の整理・分析、将来展望、社会インフラ向けITソリューションの動向などを明らかにした。ここでは、社会インフラIT市場規模推移・予測について、公表する。

■■社会インフラIT市場の概況
本調査における社会インフラIT(従来型社会インフラIT)は、道路や鉄道、空港、港湾、河川、ダム、水関連、防災・消防/警察の8分野を対象とし、国や自治体、インフラ運営事業者(高速道路事業者、鉄道事業者、民間空港等)の発注金額ベースで市場規模を算出している。

2023年度は、新型コロナウイルス禍後の2022年度の成長率からはやや鈍化したものの堅調に推移し、前年度比3.7%増の6,660億円となった。同年度では道路関連の伸びが顕著で、ETC関連や料金所安全対策設備、CCTV設備(Closed Circuit Television:閉回路テレビジョン)といった高速道路事業者向け大型案件が牽引した。また一般道路関連では、100億円超の超大型案件もみられた。

2024年度の市場規模は前年度比5.5%増の7,028億円と大幅に伸長した。同年度では鉄道、道路、水関連といった主要3分野がいずれも高伸長で、道路では100億円超の超大型案件が複数あった。また鉄道では、大手鉄道事業者を中心にIT投資が旺盛で、鉄道IT分野は堅調に推移した。さらに水関連においても大手事業者の案件が牽引し、安定的に推移した。特に水関連団体による発注が旺盛であった。

■■社会インフラIT市場の注目トピック
■社会インフラ向けITソリューション
本調査における社会インフラ向けITソリューションとは、既存技術をベースとした社会インフラIT(従来型社会インフラIT)の中で、IoTやクラウド、ローカル5G、画像解析/データ解析AI、スマートデバイス/IoTデバイス、センサーネットワーク、ドローン(AI画像解析を含む)といった情報通信技術を活用したソリューションを指す。

社会インフラ向けITソリューションは、インフラ保全の高度化(次世代保全/状態基準保全など)や業務の最適化(業務の効率化/省人化、渋滞緩和、点検の最適化など)、政策立案/戦略立案での判断支援などの分野において期待されるソリューションである。なお、社会インフラ向けITソリューションは社会インフラIT(従来型社会インフラIT)市場規模の内数である。

社会インフラ向けITソリューションでは、IoTモニタリング/遠隔監視が様々な分野で普及しているほか、カメラ画像を元にしたAI活用(点検支援、劣化診断、防災シミュレーションなど)も普及が進む。また鉄塔/橋梁点検、防災用途などで、AI画像解析と組み合わせたドローン活用も増えている。さらにクラウドベースの台帳ソリューション(クラウドへの接続が可能なタブレット等を使った台帳システム)、スマートデバイスをベースとした現場作業支援ソリューション(AR(拡張現実)やVR(仮想現実)といった機能を付加したスマートグラスを使った現場作業向けシステムなど)の実装が始まっている。このような中で、2024年度の社会インフラ向けITソリューション市場規模は前年度比で44.4%増の130億円となり、大幅に拡大した。

ステーブルコイン市場は2030年度に約14.7兆円規模を予測。プログラマビリティ領域、B2B、B2Cにおけるユースケースの確立が成長への鍵に。https://www.yanoict.com/summary/show/id/804株式会社矢野...
09/04/2026

ステーブルコイン市場は2030年度に約14.7兆円規模を予測。プログラマビリティ領域、B2B、B2Cにおけるユースケースの確立が成長への鍵に。
https://www.yanoict.com/summary/show/id/804

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、ステーブルコイン市場を調査し、将来展望を明らかにした。

■■ステーブルコイン市場の概況
ステーブルコインとは、法定通貨と同等の価値を持つように設計された暗号通貨トークンである。

ステーブルコイン市場(残高ベース)は、2025年度には約30億円まで拡大する見通しであり、2030年度には約14.7兆円に達すると予測する。トークン化預金を含めた広義のステーブルコインの市場予測(残高ベース)では、2030年度には30兆円規模まで拡大するとみる。

改正資金決済法ではステーブルコインを「電子決済手段」として法的に位置付け、発行主体・取扱業者・媒介業者の全ての事業者を制度圏に明確に取り込み管理する枠組みを構築している。この制度全体には、決済の安全性を最優先とする政策的なスタンスが反映されている。投資や資産運用を目的とするものではなく、「現金と等価の決済手段としての信頼性を確保すること」が中心的な目標として掲げられている。

2025年10月にJPYC(Japan Yen Coin)が資金移動型ステーブルコインを発行し、日本におけるステーブルコインの発行拡大機運が高まっており、信託型ステーブルコインの発行にも期待が掛かっている。

■■ステーブルコイン市場の注目トピック
■プログラマブル・マネーの台頭
ステーブルコインのユースケースに関しては、B2Bや海外送金のほか、B2Cや給与支払いなどの生活インフラに近い領域での活用が見込まれるが、中でも利用可能性が特に高いのはプログラマブル・マネーとみている。AIエージェントの活用により、資金の利用条件や実行タイミングを自動制御する「プログラマブル・マネー」の実用化が進む可能性がある。

特に投資・運用領域においては、より早期に実用化が進むと予測する。例えば、あらかじめ期待リターンやリスク許容度といった投資パフォーマンスの条件を設定し、その範囲内で最適な投資対象を選定する仕組みや、実際の投資金額に上限を設けた上で自動執行するモデルなどが考えられる。これは、従来のAI投資を一段階高度化した形であり、プログラマブル・マネーと組み合わせることで、より精緻かつ統制の効いた運用が可能になると期待されている。

■■ステーブルコイン市場の将来展望
ステーブルコインは既存取引の一部を代替するだけでなく、プログラマブル・マネーによる「新たな商流」を創出する。ステーブルコイン市場の拡大は、投資・運用領域におけるプログラマブル・マネーで顕在化するとみている。

2026年度には、AIによる自動投資アルゴリズムとステーブルコインが直結することで、24時間365日、即時かつ精緻な資金移動が可能となる。この「AI×プログラマブル・マネー」のシナジーにより、2026年度には市場残高が急拡大する見通しである。利用者の構成をみると、取引の大半は機関投資家および個人投資家による運用目的が占めるとみられる。資金移動業型ステーブルコインは、その柔軟性とスマートコントラクト(あらかじめ決められたルールに基づいて、自動的に実行される契約プログラム)との親和性の高さから、投資エコシステムの基盤通貨として機能する。一方、B2BやB2Cでの利用は普及に時間を要し、2030年度時点でも全体の1割未満に留まると予測される。

ステーブルコインの台頭により、既存の銀行ビジネス全体にも構造的な変化が生じるとみている。今後、金融取引がオンチェーン化していく中で、手数料収入や預金を基盤とした従来型の金融機関のビジネスモデルは、変革が求められるようになるとみている。中長期スパンでみると、既存金融とオンチェーン金融の勢力図が大きく塗り替わるとみている。

2026年度は、具体的なユースケースと収益モデルを発見するフェーズとなり、技術の実証段階から実際の使用用途の開発、持続的な収益モデルの検証へと移行する年であり、理想的な成長シナリオに向けた転換点になるとみる。

ステーブルコイン市場は2030年度には約14.7兆円規模へ。AI×プログラマブル・マネーのシナジーにより、2026年度の市場残高は急拡大する見通し・・・ほか。

マネージドサービス市場に関する調査を実施(2026年)https://www.yanoict.com/summary/show/id/803■■マネージドサービス市場の概況日本国内のマネージドサービスの2024年度市場規模は、3兆3,040...
08/04/2026

マネージドサービス市場に関する調査を実施(2026年)
https://www.yanoict.com/summary/show/id/803

■■マネージドサービス市場の概況
日本国内のマネージドサービスの2024年度市場規模は、3兆3,040億円(前年度比7.1%増)となった。

マネージドサービスは、ユーザー企業が本来担うシステムの運用保守を、ITサービス事業者等へアウトソースできるサービスである。マネージドサービスを用いることで、ユーザー企業は、自社の人的リソースをコア業務へ集中させることができるため、ITの活用やDX推進等により役割が増した情報システム部門の負担を軽減する観点からも、ニーズが増大している。

システムインテグレーションやマイグレーションは引き続き堅調に行われており、運用保守すべきシステムの広がりが続いていることから、マネージドサービスマーケットの拡大が期待できる。加えて、大手企業を中心としたIT投資への高い意欲や、セキュリティ対策への関心の高まりも、マネージドサービスマーケットの成長を後押しする。

■■マネージドサービス市場の注目トピック
■クラウドサービスの拡大がマネージドサービス需要を喚起
IaaSやPaaSといったクラウド基盤サービスの利用が進んでいることを背景に、複数のクラウドサービスを組み合わせるマルチクラウドや、オンプレミスとクラウドとのハイブリッド環境が広がり始めている。これに伴い、システムの複雑性が増すことで、ユーザー企業の運用負担も増加していることから、その軽減を図るマネージドサービスへの期待は高まっている。

さらに、ネットワークやセキュリティ等の領域を限定せず、また複数のシステムを統合して、トータルに運用を行うフルアウトソーシングサービスが台頭しつつある。これにより、それぞれのシステムを構築したベンダーごとに運用保守する従来のビジネスモデルから、他社が構築したシステムを含めて1社のベンダーがマネージドサービスを提供する形態へと移行する動きがある。

■■マネージドサービス市場の将来展望
2028年度の日本国内マネージドサービス市場規模は、4兆6,940億円(前年度比9.6%増)と予測する。

マルチクラウド/ハイブリッド化が今後も広がるとともに、ITに関する技術・サービスの変革スピードの速さやIT人材不足等により、ユーザー企業における負荷削減ニーズは引き続き生まれ、マネージドサービスの利用が進むとみている。

また、最近のランサムウェア被害の報道等により、ユーザー企業におけるセキュリティ対策への関心は高まっている。さらに、AIを活用したサイバー攻撃が行われていること等も背景に、テクノロジーに強みを持つベンダーによる支援サービスを望む動きから、マネージドセキュリティサービスの展開が拡大し、市場成長を牽引すると予測する。

クラウドマネージメントサービス市場はIT投資の高まりやセキュリティ対策が成長を牽引し、今後も増大。2028年度には4兆6,940億円の規模を予測・・・ほか。

アフィリエイト市場に関する調査を実施(2026年)レポートサマリー2026.03.18https://www.yanoict.com/summary/show/id/802■■アフィリエイト市場の概況2024年から2025年にかけての主要ア...
31/03/2026

アフィリエイト市場に関する調査を実施(2026年)
レポートサマリー2026.03.18
https://www.yanoict.com/summary/show/id/802

■■アフィリエイト市場の概況
2024年から2025年にかけての主要アフィリエイトサービス事業者(ASP)の業績は、以前と比べて成長鈍化の傾向がみられる。一部広告主の業績低迷による予算縮小や、KPI評価の厳格化に伴う広告単価の下落、成果効率の低下が主な要因である。加えて、生成AIの普及や検索環境の変化により、ユーザーの情報取得行動が変化し、アフィリエイトサイトへの流入減少も影響している。
一方、ECモール型や特定分野では堅調な需要が続いており、市場全体は底堅く推移している。こうした状況を踏まえ、2024年度の国内アフィリエイト市場規模は前年比106.5%の4,379億円、2025年度は同105.0%の4,598億円に達すると見込む。

■■アフィリエイト市場の注目トピック
■AIの進展がアフィリエイト市場に与える影響とASP売上への影響

●AIの進展がアフィリエイト市場に与える影響

AI技術の進展は、アフィリエイト市場に対して多面的な影響を及ぼしている。ポジティブな側面として、広告クリエイティブ制作支援、営業支援、データ分析などの効率化が挙げられる。AIの活用により、従来は外注や多大な工数を要した制作業務が低コストかつ短時間で実施可能となり、広告主・メディア・ASPの運用効率が向上している。また、分析精度の向上によりアフィリエイトの貢献度が再評価され、予算配分の見直しにつながる可能性もある。
一方、AI要約機能の普及により検索結果からの流入が減少しており、SEOメディアを中心にトラフィック低下が生じている。今後はAIの活用が市場の機会とリスクの双方として作用するとみる。

●ASP売上への影響:現時点では限定的

主要ASP各社へのヒアリング結果によると、2024~2025年時点において、AIの進展がASPの売上に直接的かつ大幅なマイナス影響を及ぼしている状況は限定的である。AI Overviewsの導入等に伴い、オーガニック流入やクリック数の減少といったトラフィック面での変化は一部で確認されているものの、それがASP全体の売上減少に直結している事例は現時点では多くない。
その要因として、AI要約の引用元にアフィリエイトメディアが含まれることにより一定の成果が維持されている点や、影響が主としてSEOメディアに集中しており、SNSや動画等の他流入経路によって補完されている点が挙げられる。
一方、SEO依存度の高い一部メディアや特定ジャンルでは成果減少が見えつつあり、本格的な影響は中長期的に顕在化するとみている。

■■アフィリエイト市場の将来展望
今後のアフィリエイト市場は、成長局面から成熟・再編局面へ移行しつつ、緩やかな成長率で推移すると見込まれる。現状では主要ASPの業績に成長率の鈍化傾向が見られるものの、今後は各社の事業戦略や注力領域の違いによって、業績面での差が拡大していくと当社では予測する。
今後、主要ASPにおいては、既存市場を巡る競争が一段と激化する中で、AIへの対応力や有力なメディアネットワークの構築が競争優位性を左右する重要なポイントになると当社では考える。
一方、EC利用率の上昇やEC化率の拡大を背景に、モール型アフィリエイトは引き続き堅調な成長を維持すると予測する。
これらの要因を踏まえると、アフィリエイト市場は過去のような年率10%を超える高成長は見込みにくいものの、中期的には年平均成長率(CAGR)約6%台の安定成長が続き、2029年度には市場規模が約5,883億円に達するものと予測する。

アフィリエイトサービス事業者(ASP)の業績は集客環境の不安定化などにより鈍化傾向。一方でECモール型や特定分野では堅調な需要が続いており、市場全体は底堅く推移・・・ほか。

住所

本町2-46-2 
Nakano-ku, Tokyo
164-8620

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